アストルティアにはレンダーシア大陸に多く生活をしている人間族の他に5つの種族が存在している。
知的生命体と言えばモンスターに分類される種の中にも独特の文化を持つ連中が存在するので厳密にはもっといるとも言えるが、それぞれが交流を持ち大きな文明を持つ種族としては人間を含め合計6つとしておこう。
そんな中に絶対数は少ないが非常に人気の高い種族が存在する。
ドワーフだ。
特にドワオと呼ばれるドワーフの男性は「いるだけでおもろい」と大人気である。
大地の民ドワーフ。
こう聞いたらアストルティアを知らない者はどんな姿を想像するだろうか。
トールキン以降のドワーフ
大地の精霊に連なる大地の民ドワーフと言えば、こんな風体の種族を想像するのではないだろうか。
がっしりとしてずんぐりむっくりとした体格、身長は小柄だが力が強く、鉱石を掘ったり鍛冶仕事が得意。
男女ともにヒゲがあるのが特徴。
そして、お酒が大好きであったり、エルフとは犬猿の仲だったり。
よくファンタジー作品やファンタジーRPGに出てくるドワーフのイメージはそんな感じになっているのだが、これは映画化したことでも有名なJ.R.R.トールキンの著作である「指輪物語」によって体系づけられた種族のイメージがもとになっている。
それ以前は北欧神話などでドワーフの記述があったり、白雪姫に登場する七人の小人がドワーフと記述されていたりと色々あるが、そのイメージに統一感はない。
私たちがドワーフと聞いてイメージするのは先述の「指輪物語」がベースの種族なのである。
アストルティアにおけるドワーフ族
では、アストルティアのドワーフ族はどうなのか。
はじめて目にしてみると驚くべき姿をしているのだ。
それは指輪物語をはじめとする数多くのファンタジー作品に登場するドワーフ族とは明らかに異質な姿なのだ。
大地の民と呼ばれ、鉱山での採掘作業が得意であったり、手先が器用なために機械の製作や鍛冶仕事が得意だったりするところは似ている部分があるが、独特に発展した機械文明を持つところは他とは異なる。
他とは一線を画す科学技術を所持していることはエルダースクロールシリーズに登場する滅亡した種族ドワーフ(ドゥーマーと呼ばれる)に似ているかもしれない。
何よりも見た目が私たちがよく知るドワーフ族とは大きく異なる。
小柄でずんぐりむっくりしているところまでは似ているが、初めて見た者が一番驚くのが肌の色だ。
この絵はモノクロなのでわからないが、なんと緑色なのだ。
濃い緑から黄色がかった緑まで幅広いが緑なのだ。
それが故に、一部の口の悪い他種族からは「カビだんご」「油粘土」などと揶揄されていることもある。
実際に人間族の非常に口の悪いストーリーに登場する女が部下のドワーフ達をそのような感じで呼んでいる場面がある。
非常に愛嬌のある種族なので慣れてくればなんてことないが、初めて見た時は衝撃的である。
そして絵を見てもらってわかるとおり、立派な顎鬚は存在しない。
指輪物語などのドワーフ達のアイデンティティとも言えるフサフサのヒゲはないのである。
私が覚えている限り、そんなフサフサのヒゲがあるドワーフは見たことがない。
口ひげくらいは生やしている者がいる程度だ。
文化面の特徴や見た目の特徴などを含めても非常にインパクトのある独自の種族として成り立っていて面白い。
アストルティアには他によく知られる種としてはエルフが存在するが、これもまた一般的に認知されているエルフのイメージと大きく異なる面を持っていて面白い。
なお、アストルティアの冒険者となっているドワーフ達はよく語尾に「どわ」をつけて話しているようにも見られるが、これは本来ドワーフ族の特徴ではなく、一部の冒険者で広がった流行のようなものだと言っておこう。
アーネスト・サン・ジェルマン記