うむ、私だ。
君たちはバトンちゃんなる存在を知っているな?
そうだそうだ、私が何度も冒険者の広場における冒険日誌で話題にしたことがあるアイツ。
アストルティアにはアンチバトン連合なる組織もあるくらい一部では嫌われているアイツだ。もっとも一部では非常に愛されているからこそ、アンチがいるのだがな。
さあ、こいつが何者か、おさらいをしよう。
愛くるしいプクリポの女の子…
の装いをして突如各家庭にお邪魔する様子は微妙に迷惑なテレビ番組のようでもある。
そして家庭を訪問し何をするかと言ったら「個人情報の聞き取り」なのだ。
かなり他愛のない個人個人の好き嫌いの話などを根掘り葉掘り聞いていく。
見た目のかわいらしさを利用して言葉巧みに個人情報を盗み出すのである。
その実態は、古代ドルワームのウルベアとガテリアの戦役時に製造された諜報用のカラクリである。
私が言うのだから間違いないぞ。
証拠にこのバトンちゃんというのは何体も存在して各地で個人情報を集める活動を行っているし、何より首が外れたり360度回転したりするんだ。プクリポではないだろう?
こいつを動かして情報を集めている機関がどこであるかは未だはっきりしないがな。
私はアスフェルド学園が怪しいと睨んでいるのだが…そこにはなかなか踏み込めないでいる。
何しろやつらはガードが堅い。
君たちも知らぬ間に情報を盗まれているといけないからバトンちゃんへは虚偽の回答をすることを推奨する。
さて、本題はここからだ。
前置きが長いって?
気にするな。ドンマイ!
そうなんだよ、またいたんだよ!!
最近頻度が高い気がするが…やはり私は狙われているのか…
見つかってしまうといつものとおり、意味不明の質問をされ、断るとものすごーく嫌そうな顔をする。
これが困るのだ。
この回はなんだったかな…あなたの好きな天気はなあに?
とかだったかな。もはや本気でどうでもいい…( ゚д゚)ハッ!
アストルティア人の天候の好みを把握し、嫌われている天気になるように天候操作を行う…まさか…まさかな!!
ちなみに私は「きつねのよめいり」と答えておいたぞ。
リンクを貼っておいたが、いわゆる天気雨のことだな。
そしてバトンちゃんはお礼に「エルトナスイセン」の束を残していった…
何とも言えない哀愁が漂う夏の終わりの夜であった。
「エルトナスイセン、その栄華と衰退」
エルトナ大陸全土が泣いた大作、ついに上陸!!
ああ、わかっているよ。
エルトナスイセンもかつてはキラキラマラソンの雄の一角であったことを。
そこそこの値段がつき採集できると嬉しい植物のひとつであったことを私は忘れない。
他の誰が忘れても私だけは覚えておこう。
例えいま、1つ100ゴールドに満たなくなっているとしても。
君の姿は変わらず美しい。
エルトナスイセンに栄光あれ!!
バトンちゃんがアストルティアで観測されはじめた頃は質問も楽しく、回答をする側も色々考えて楽しい答えをすることができた。
答えを書いた後に見れる「みんなの答え」も楽しくてバトンちゃんが来るのが少し楽しみだった。
だがね、何事にも栄枯衰退が存在する。
もう続けられないと思ったらやめることも必要だと私は思うのだ。
そう、もはやバトンちゃんは求められていない。
バトンちゃんの中に入って質問を考えているスタッフもきっとモチベーションが維持できていないだろう。
それは近頃の質問のつまらなさにしっかり出ている。
楽しい質問ができないとユーザー側の回答もそれに引っ張られる。
かつてのように楽しい回答が見られなくなった。
投げやりな「あ」とかゲームに対する皮肉が目立つようになっていて見ている方も楽しくなくなることがある。
つまり、バトンちゃんが来て嬉しいって思ってる人が少なくなったということなんだ。
もうそろそろ、バトンちゃんは引退するべきだと私は考える。
君たちが必要とされていた戦役はとっくの昔に終わっているんだよ。
だから何も心配せず、王国の名残の遺跡の中で静かにお眠り、バトンちゃん。
アーネスト・サン・ジェルマン記